上映中もう見たくて見たくて暴れてたけど、行けず、やっとアマプラネトフリで配信されて「配信されたからいつでも見れる!」と思ったせいかそこから2週間くらい放置してた映画。
この監督の前作『ヘレディタリー』はめちゃくちゃ長々感想書いた気がするけど、長過ぎて恥ずかしいからリンク貼らないでおく…。
「明るいのに怖い」
「キレイなのにグロい」
みたいな前評判がすごくて期待値MAX!ってかんじで見たけど、思ってたかんじとは違った。
グロは多少はあるけどそこまでだし、怖さに関しては個人的に全くといっていいほど怖くない。
アリアスター監督ってよく考えたら前作も血飛沫ブシャー!系ではなかった。
ジワジワ「あれ?」ってなるかんじの、ちょっと邦画っぽい考察系ホラーを作ってる。
見た後にいろんなサイト巡って考察読んでからまた見ると2倍おもしろい!みたいな映画。
思ってたかんじとはちがったけど、ちゃんと面白かったです。
主人公は大学生の女の子ダニー。
ダニーは映画の冒頭で、妹が両親と無理心中をしてしまい、メンタルボロボロで彼氏のクリスチャンに依存気味、というところから始まる。
クリスチャンは『優しいと優柔不断の違い』をめちゃくちゃわかりやすく体現してくれてる彼氏。付き添ってくれるけど寄り添ってはくれてない。実際ダニーが面倒で別れたがってる。
クリスチャンは友人の留学生ペレの故郷であるスウェーデンの田舎にあるホルガ村というところの夏至祭に、ペレを含んだ男友達数人と参加する計画を立ててる。
ダニーにもその計画がバレたので、仕方なく連れて行くことになる。
そのホルガ村が狂気に満ちた村だった…っていうのがあらすじ。
スウェーデンの話だから白夜で、ずっと明るい。
というか絵面的にはずっとこんなん。
めっちゃくちゃキレイ。
高原に白い服、花とかの色味もキレイでメルヘン。インスタにあげたい。
こんな綺麗なかんじなんだけど、ダニーたちは次々にホルガ村夏至祭の生贄にされていく、という話。
映画のほとんどは村人と歌ったり踊ったり食事したりの風景。
でもその踊りもなんか気持ち悪いし、食事も何一つ食べたくならない不思議さ。
登場人物もなんか全員絶妙にイヤなやつばっかりで、死んだところでなんの同情心も抱けない。
なんなら主人公ダニーも気の毒な境遇とはいえメンヘラすぎてちょっと面倒。
ダニーたちは「この村やばい!!!」ってなってるんだけど、ずーっと見てると『猟奇的なウルルン滞在記』みたいなかんじに思えてくる。
そういう文化があるんだなぁ、的な。
それぞれの信仰があって、それぞれの習慣があるからまぁそうなっても仕方ないのかなって。
前作ヘレディタリーもすごいシュールな場面あったけど、今回は終盤へ向けて怒涛のシュールさだった。
この村娘と交わるシーンは、加藤鷹でもこの環境下は萎えるのでは?っていうとんでもない状況でヤッてた。
普通に笑った。
ラストシーンも「な、なにこれ…」ってなるんだけど、何故かジワジワクセになる…。
監督が「これは変態のためのオズの魔法」って言ってたらしく、それがめちゃくちゃ腑に落ちた。
まさにそれです。
変態が解釈したオズの魔法使いです。
考察あってこその映画、という点では「イミワカンナイ」ってなる人いても仕方ないかもしれないけど、そういうのが好きな人には超ハマると思う。
今ならアマプラでもネトフリでも見られるんで、ぜひどうぞ。
私は次はディレクターズカット版見てきます…。
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