『青野くんに触りたいから死にたい』という漫画をご存知ですか?
もうね
『ここ5年くらいででオススメの漫画は?』
と聞かれたらこれがNo.1。
本当に本当におもしろい!!!
あらすじとしては
主人公の優里は周囲からちょっと浮きがちな子。
別のクラスの青野くんが親切にしてくれたことで好きになり、告白して付き合うことになる。
左が青野くんで、右が優里
付き合って2週間程経った時に、突然青野くんが事故死してしまう。
青野くんを失った悲しみから優里は自殺を図る、とその瞬間、幽霊になった青野くんが現れる。
触れないけど、それでも青野くんと一緒にいたい優里。
ただ、だんだんと青野くんの様子がおかしくなってくる。
というラブ&ホラー漫画。
最初の方は、どうしても青野くんに触れたいという気持ちから、青野くんに枕と被ってもらって枕を抱きしめたり…というちょっと変わったラブコメ系かと思った。
でもどんどん青野くんがおかしくなってくる。
この絵で、こんな感じの内容で?ってなるんだけど、想像の18倍くらいしっかりとしたホラーだった。
この辺はまじでコワイ。
夜中に読むとゾクゾクする程度にちゃんとコワイ。
優里は不登校のクラスメートでホラーマニアの美桜ちゃんと
青野の親友の藤本くんと一緒に、青野くんを成仏させるべく『ブルー・チア』というチームを組む。
ただ、色んなことがわかればわかるほど青野くんの現在の状態は異常であることを認識していく。
・青野くんの行動には優里の許可がいること
・許可がいるということは優里と何かしらの契約状態であること
こんなかんじでホラーマニアの美桜ちゃんがあらゆる事象を解き明かしてくれる。
もっと色んなことを説明してくれるんだけど、サラッと書くには難しすぎるから読んでほしい。
ただ単に恋人が亡くなった、という話かと思いきや、地元の伝承だったり、儀式だったり、血筋だったりが関係ありそう、みたいな深い話になってる。
そして、優里の家庭環境に問題があること。
青野の家庭環境もかなり複雑であること。
このへんが多分これから重要なんだと思う。
この作者のすごいところは、めちゃくちゃ読んでて苦しくなる展開を書くこと。
最新話では、優里の過去に触れてるんだけど、結構読んでて暗くなってくるし、DVも虐待も受けたことないけど、私昔受けたことあったっけ?くらいの、偽の記憶を植え付けられるような感覚になる。
経験がないからわからないけど、リアリティがあるのかないのかもわからないけど、多分リアルなんだと思う。
そもそも作者の感性が独特というか、読んでるとキャラの言葉に「そんな風に考えたことなかった!」みたいな面白さもある。
「青野のどこがそんなに好きなの」
「青野くんてなんか悲しい時に笑うの、何でもないって顔するの。それで多分嬉しいときに苦い顔をするの。それがあべこべで、それを見てると胸が締め付けられてあぁ愛しいなぁって思うの。」
「それは好きなところじゃない。好きだからそう思うところだ」
「えっちなことっていいことなんだね。えっちなことってあんまり良くないことって雰囲気あるでしょ。えっちなこといっぱい考えてる人はからかわれるしちょっと馬鹿にされるし。でもこんなに気持ちよくてこんなに楽しくてあ~君が大好きだなぁって思うの。これってすっごくいいことだよなぁって思うの。」
「青野くんが痛がっても無理矢理彼の肉を食べて痛めつけた後にセックスしたり、青野くんに「いいよ」って言わせて彼の中に憑依して命を少しずつ奪ったり、わたしそんなひどいこと青野くんにできない。でもわたしはわたしにそんなひどいことしてきたの?」
とかこんなかんじのセリフが個人的には結構刺さる。
藤本くんも一緒に行動するうちに優里のことを好きになっちゃうんだけど
間違いなくうまく行かない家庭環境の差がある。
優里も、青野くんも、藤本くんもみんないい人たちなのに、どう頑張ってもハッピーエンドになる展開は見えてこない。というか多分ハッピーエンドにはならない。誰かしら幸せになったらラッキーくらいの重さがある。
好き嫌いはかなり分かれそうな気もする。
まだ連載中ですが、個人的にとにかくオススメしたいので興味が湧いた方はぜひ読んでほしい。