ディズニーの『魔法にかけられて』って見たことありますか?
この前娘に見せたら超ハマって、今毎日見せられてる。
もう15年も前の作品なんでネタバレしますけど。
魔法の国アンダレーシアに住むジゼルは森に住む、いつか王子様と恋することを夢見る美少女。
そこにエドワード王子が現れ、ひと目で恋に落ちた2人は結婚を決める。
結婚式へと向かう途中、ジゼルとエドワードの結婚によって自分の立場が危ぶまれることを恐れたナリッサ女王は老婆に化け、ジゼルを魔法の井戸に落としてしまう。
井戸の先は現代のNYに繋がっていて、ジゼルは現代に来てしまう、という話。
それを踏まえてこれを見てほしい。
これアンダレーシアのジゼル
これNYのジゼル
アンダレーシアの魔法えげつない。
最初見たとき「えっ?ジゼル、アラサー?」ってなった。
いや女優さんは紛うことなきアラサーなんだけどさ。
え、ジゼル、アラサーで王子とか運命のキスとか歌ってたの?痛くない?
現代のNYで、誰も親切な人もなく途方にくれるジゼルを救ったのはシングルファーザーで離婚弁護士をしているロバート。
え、アラフォー?
いや俳優さんは紛うことなきアラフォーなんだけどさ。
アラサーとアラフォーのロマンス始まるの?
ロバートにはナンシーという恋人がおり、プロポーズしようと考えている。
調べたらこの人エルサの声の人だった。
ジゼルはどんなに周りから白い目で見られようともプリンセスらしい振る舞いで対応し、愛の素晴らしさを説く。
アンダレーシアでは歌って動物たちを呼び寄せて、自分の仕事とか掃除を手伝わせてた。
でも都会で呼んで来るのはせいぜい鳩、ネズミ、ゴキブリ。
そうまでして手伝わせたいんか、ジゼル。
自分でやれ、NYじゃみんな自分でやってんだよ。
そしてジゼルが歌えばたちまち周囲がノリノリになってフラッシュモブが始まる。
この辺はディズニーあるあるでちょっとおもしろいし、映像的にもカワイイ。
ロバートも最初はドン引きしていたけど、どんどん明るいジゼルに惹かれていく。
…いやお前、プロポーズ寸前の恋人がいるのにコロッコロじゃねぇか!!娘のためにしっかりしろ!!!
娘にももう「ナンシーにプロポーズしようと思う」って言ってたじゃんか!!!
父親そんな移り気なのいやだわ。
一方エドワード王子もジゼルを救いにNYに来る。
エドワードめっちゃカワイイんだ。笑顔がチャーミング。
ジゼルを見つけ合流するも、ジゼルはロバートを好きになってきているため帰りたがらない。
「最後に夜開催されてる舞踏会に行ったら帰る」と言い出す。
その舞踏会は中世ヨーロッパ風の衣装に身を包んで踊るコスプレ舞踏会イベントなんだけど、
なんでお前だけ現代風ドレスで来るんだ。
今こそディズニー風ドレスの着どころだろうが!!
ロバートとジゼルは一緒にダンスするうちに、自分の気持ちを自覚し、ナンシーとエドワード王子も二人が惹かれ合ってることに気付く。
そこにジゼルを殺そうとナリッサ女王が追って来て、毒リンゴを食べさせる。
眠ってしまったジゼルは『真実のキス』で目覚めるはず!とエドワード王子がキスするも目覚めず、ナンシーにも背中を押され、ロバートがキスしてみるとジゼルは目覚める。
ここ、エドワードめっちゃ可哀相。可哀相なんだけど、ジゼルの目が覚めた時に純粋に喜んでる笑顔が、コイツめっちゃイイ奴…ってなる。
お察しかと思うけど、私は圧倒的にエドワード推し。
本編フルで見ても何がどうなってそうなったのかわからないんだけど、ナリッサ女王の下僕であるナサニエルは終盤で突然改心して、ナリッサ女王を裏切る。
あ!ピーターペティグリューだ!また裏切ってらぁ!ってなる。
ナサニエルの寝返りと、ジゼルが目覚めたことに腹を立てた女王はドラゴンに姿を変え、何故かロバートを拉致。
バトルともいえないよくわからない展開を経て、間一髪、ジゼルはロバートを助け、ナリッサ女王は高層ビルから落ちて消える。
ここ正直、女王が勝手に落ちたみたいなものだった。
そしてロバートとジゼルはお互いの気持ちを確かめ、雨が降りしきる高層ビルの、ちょっと滑ったら死ぬような場所でめでたしめでたしのキス…。
私なら恐すぎて落ち着かないから降りてからにしよって言う。
残されたナンシーはエドワードに声をかけられ、突然二人は結婚する流れになり、ナンシーがアンダレーシアに行く。
250%くらい美化される。そう、アンダレーシアならね。
もうさ、展開が急すぎて所々よくわからない。
ナサニエルの改心の流れも掴めないし、ジゼルがロバートのどこに惹かれたのかも全くわからないし、エドワードとナンシーが結婚する展開はホントに視聴者からしたら青天の霹靂。
ロバートの娘はなんとなくジゼルに懐いてたけど、 ナンシーをどう思ってたのかわからない。
懐いてなかったとしたら、ただただナンシーが気の毒でならない。普通にいい人なのに。
そして言わせてもらいたいのは、全体的に年齢層が高すぎること。
多分ね、シングルファーザーとくっつけるには10代とかだとキモい感じに思われるからアラサーくらいの女優さんにしたんだろうけど、にしてもちょっと老けてるのよ。
カワイイドレス着て歌ったり踊ったり夢見る瞳したりするにはギリ寄りのアウト。
ただのメルヘン趣味のお母さんみたいに見える。
物語の中盤、初めて『怒り』という感情に行きあったジゼルはロバートに「そう!私…怒ってる…!!アハハハハハハ」って笑い出す展開は軽いホラー。
メルヘンなキチほど怖いものはない。
来年、このキャストのまま魔法にかけられて2がやるらしいんですが、全員アラフォーアラフィフなんだけど大丈夫なの?
なんかもうそれディズニー風の社会派映画じゃない?
子供が鎹になる設定が欲しいなら、両親か亡くなってるハタチくらいの男の子が年の離れた妹の面倒を見てる、みたいな設定でよかったのに。
フレッシュさが全体的に足りてない。
完全オリジナル新作として若い美男美女で作ってほしい。
ティモシーシャラメとクロエ・グレース・モレッツとかで見たいんだ。
ちゃんとおもしろいんだけど、なんか惜しい映画、それが魔法にかけられて。
2は色んな意味で気になりまくるから見たい。