tsuyuniyo’s blog

毎日、時々、気が向いた時

【スポンサーリンク】

誰も読んでなさそうだから「湯神くんには友達がいない」を全力でオススメしたい

 

口酸っぱく色んな人にオススメしてるけど誰一人読んでくれない。もっと評価されるべき漫画だと思うんだけど、全然話題にならない。

 

これホント読了後がめっちゃ気持ちいいから読んでほしい。高校生にタイムスリップして青春を味わった気分になれる。爽快感がすごい。シーブリーズのCMくらいの爽やかさ。広瀬すずの首筋のような涼感。

  

Amazon Kindleリンク】

 

主人公は綿貫ちひろちゃんという女の子。親が転勤族で転校が多く、長く付き合いが続くような友達がいないことが悩み。「これが最後の転校だから」と言われて転校してきた高校で湯神くんに会い、隣の席に座ることになる。

湯神裕二は顔がそこそこ良く、成績はすこぶる良く、野球部のピッチャーで絶対的エース。モテないはずがない!と思うけど、モテないどころか友達もいない。

読めばわかるんだけど、性格がめちゃくちゃめんどくさい。例えば教室の窓が開いていて、ちひろが「寒いから閉めて」と言えば「俺だって寒いとは思ってるけど、こんな人が多いところで窓を閉め切ったら二酸化炭素が充満するしウンタラカンタラ」みたいなダラダラめんどくさいことを言ってくる。「せめて半分閉めよう」と言ってちひろが窓を閉めると「半分はここだ!」ときっちり半分にこだわって直してくる。め、めんどくさ。だる、こいつ。うぜー。

 

湯神としては、どこか要領が悪く、友達ができないとウジウジしてるちひろを面倒な人間だと思ってはいる。でも湯神の大好きな落語家の話を理解してくれるため、なにかと絡みが多くなる。

湯神はとにかくこだわりが強い。ローラ以上に毎日のルーティーンが細かく決まっているし、自分の主張は絶対に曲げない。他人のことはこれっぽっちも信用してないし、人に合わせる気もないければ興味もない、期待もしない。でも湯神の信念の中に『徳を積めば良いことがあるはず』があるから、ちひろに対して気まぐれに助け舟を出してくれたりする。

 

 

もうわかるでしょ?あーラブなやつねって。私も思った。はいはい、お互いに「何こいつ!」から始まるテンプレだねって。

でも恐ろしいことに一向にラブ要素は訪れない。全16巻あるんだけど、まじで全然訪れない。何回か「お?」って場面が来るんだけど、結局なにもない。すごい。クリスマスも文化祭も修学旅行も一緒に過ごすのに、なにも起きない。ここまで「友達」にフィーチャーしてる漫画ってない。作者だって書いてるうちに恋愛のこと書きたくなっちゃいそうなのに。すごい、すごすぎる。何もないなら、なぜ男女の組み合わせにしたんだと言いたくなる。でもむしろそこがいいかも、と思えてくる。しゅごい。なにこの漫画。

 

じゃあちひろと湯神が友達か、と言われたら友達ってかんじでもない。同志でもないし、かと言ってただのクラスメイトでもない。ちひろと湯神を取り巻く人たちも「これは友達なの?」な関係性の人が多い。

ちひろが他の女子に対して「友達って言っていいのかな?そんな距離感でもないかな?図々しいかな?」って気にかけながら行動する心情が手にとるようにわかる。ちひろちゃん、わかるよ、あるある!女あるある!かといって「うちら友達じゃぁん!」とか言われると警戒する。情報商材とか勧められるんじゃないかなって。お茶に誘われら「紹介したい先輩がいる」とか言われないかなって。

 

逆に、湯神の「友達なんて別にいなくても困らない理論」も納得しちゃう。自分が自分らしくあるために無理はしない、絶対に折れない、その姿勢がめんどくさくもあり、貫き通すところ、めっちゃカッケー。いやでも…カッコいいんだけど…なんかなぁ、を描くのがものすごく上手い。

ちなみに湯神は「ありがとう」を全然受け取らない。ぱるるなんか目じゃないくらい超塩対応。1話でちひろに「ありがとう、これからもよろしくね!」と言われて「いや、よろしくしない。」と断る。こんなん言われたら心が折れる

だからちひろにとって湯神はヒーローじゃないし、読者から見ても全然ヒーローしてない。でも湯神がパシリに使ってる後輩も、宿敵の幼馴染も、クラスメイトも、何故か湯神をほっとけない。全員「友達じゃないよ、あんな人。」と言うのに、つい構っちゃってる。読んでる側も湯神が嬉しそうだとなぜかテンションあがっちゃう。

これ、すごくない?もう湯神くん実在してない?

 

読んだらみんな湯神くんを好きになる。でも、こうなりた…くはないかなぁ、で終わる不思議さ。痺れはするけど憧れはしない。そんな男。

 

全16巻でちょっと長いけど、完結してるのでぜひ読んでほしい。

ラブ要素欲しい勢も、なんだかんだいい気分になれるオチしてるんで本当にオススメ。

 

ここで3話くらいまで読めます。

https://www.sunday-webry.com/detail.php?title_id=436

 

\こちらもどうぞ/

tsuyuniyo.blog

tsuyuniyo.blog

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村